PMとしてデザイナーさんに依頼や指示をすることは数多くあれど、自分では使いこなせずいたIllustrator。
とあるクライアントさんから機会をいただいて、ロゴ制作をさせていただくことになったので、基本的なキーワードや概念をメモしておく。
(サンプルの画像は、自社のロゴを同じタイミングで制作したのでその時のものです)
基本のキーワード
ラスターとベクター
ラスター | ベクター |
一般的な画像はラスター形式(ビットマップ)と呼ばれ、小さな点(ピクセル)の集合体として描かれています。このラスター形式はピクセル1つづつに色情報が含まれており、ピクセルの密度が高いほど解像度が高くなります。 | ベクターは一般的な画像とは本質的に異なり点や線によって構成され数学的な式によって描画されています。 その性質上、どれだけ拡大してもピクセルの点が見えることが無いため印刷用のデータ、ロゴ、アイコン、図面、文字など、明確な輪郭が必要なデザインでよく使用されています。 |
ベクターグラフィックソフトでは下図のように「アンカーポイント」「セグメント」「ハンドル」によってパスが構成される。
アウトライン
イラレ界隈では「アウトライン」という言葉は「アウトライン化」のように使われることが多い。単に「アウトライン」という時は画面表示のモードのアウトラインモードの意味もある。
アウトラインモードにすると、アウトラウン(輪郭線)だけが見えて、プレビューモードは指定した色や設定通りの表示になる。通常はプレビューモード。【コマンド+Y】で、切り替えができる。
線や文字はオブジェクトではないため、細かな変形がかけられない。
しかし、アウトライン化すると、線や文字もオブジェクトとして認識されるようになる。
そうなると、文字の一部分を伸ばしたり、削除したりといった細かな編集が可能になる。オブジェクトとして編集できると、デザインの幅が広がるため、レベルの高い作品を作るうえでアウトライン化は必須の作業。
なお、文字はアウトライン化してしまうと元に戻せないので、必ずバックアップを残しておくこと。
アピアランス
オブジェクトの見た目のあしらいの要素。
Illustratorのアピアランスはアピアランス属性と呼ばれる要素の組み合わせで構成されており、アピアランス属性には線、塗り、効果、不透明度の4つがある。
オブジェクトのグループ化と分割・拡張
1つのオブジェクトを、そのアピアランスを構成する複数のオブジェクトに分割できる機能。
ロゴ制作で実際に使った機能
SNSで「イラレのこんな機能でこんなデザインができます!」という投稿をよく見ますが、今回使ったのはかなり基本的な機能で充足していた。
(引き出しは多いに越したことがので、もっと学びを重ねたいが。)
使った機能1:文字のアウトライン化
選定したフォントで社名を入れ、サイズのバランスやカーニングなどを整えたら、上記にさんざん記載したとおり、文字をアウトライン化する。
こうすることでオブジェクトとして認識される。
使った機能2:アピアランスで外側に枠線をつける
まず前提として、ロゴなのでモノクロでも認識ができないといけない前提が出てくる。
これは新聞掲載などの白黒印刷などが発生しても耐えられるように、という理由である。
今回は、モチーフとタイポグラフィを組み合わせたようなロゴを制作したのだが、
2つの要素をそのまま重ねると、重なりがどうにも見にくくなる。
そのため、上に来るレイヤーオブジェクトの外側に枠線をつけることで、重なり部分に空間が生まれて重なり部分が綺麗になる。
やり方としては、アピアランスを使うのだが、アピアランスのレイヤー順で下記のように違いが出る。
その後、下記のように基本的な機能を組み合わせてロゴらしい形にしていった。
さらにブラッシュアップで使った機能
パスの変形>変形
上記だけでもロゴとして成立するのだが、更なるブラッシュアップとして
こちらのボーダーを使ったデザインのあしらいを追加したりした。
ここで使った機能は、効果>パスの変形>変形。この機能は、分身の術のようなイメージ。
こんなふうに、縦・横や円形に等間隔で並べることが得意。
モチーフのオブジェクトと文字のオブジェクトのコントラストをはっきりさせるために、この機能を用いてモチーフの方に白斜線のようなものをかけ、遠目に見た時の色を淡くするようにした。
ドット柄のスクリーントーンのような表現
提案パターンの1種として対応した、ドットでの色味調整。
ドット柄を作る方法は大きく2種類。
【その1】効果>ピクセレート>カラーハーフトーンでやる方法
などで書かれている方法。いわゆる、漫画でスクリーントーンを貼るような感じはこれ。
「カラーハーフトーン」という単語をパッと思い出せるようにしておきたい。
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